照葉樹・二期の最近のブログ記事

照葉樹?期第6号(福岡市)

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<2014年 9月20日(土)22時付、「文芸同人誌案内」掲示板より転載・投稿者:kitaohi>

【「順平記 その三『なごみ』」水木怜】
順平記は私が好きな作品なので、どうしても真っ先に読む。
前号の時点から年月が少し過ぎ、順平は、貸本屋を止めて「なごみ」という喫茶店に改装する。姉の律子が調理師免許を持っているというので、喫茶店ではコーヒー以外に簡単な一品料理も出す。場所は美野島商店街の一番奥。店には歳を取った猫のゆきがいつもいる。客はタキノさん、神崎内科の大先生、萌絵さん、徳さんなど常連客が中心である。こういった環境の中で、徳さんが「親父狩り」に遭う。そこからリュウ、塔子さんが出てくる。ストーリーもうまく作られており、一気に読める。向こう三軒両隣的な独特の環境を設定しているので感情移入もしやすく、心温まる作品である。
読んでいてちょっと引っかかったのは、おやじ狩りの動機が読み手の頭の中にすうーっと入らなかったことだ。肝試しということで親父狩りをするのはあり得るかもしれない。しかし、もう少し親父狩りをした4人のグループの生い立ち、性格などを明確にし、親父狩りについてのリアリティを持たせてほしかった。そのことによって順平や徳さんのお説教が生きてくる。作品のキーとなるこの部分をないがしろにすると、作品全体がつまらないものになってしまうと思う。
今後この「なごみ」を起点にしていろいろな話が出来るのではないかと期待している。TVドラマ的であるが、それはそれでいいと思う。同人誌にこういった作品が載るのを私は期待したい。

【「別れ」竹井侑子】
ナツミが仕事を終え退社し、スクランブル交差点を渡ろうとしているとき、高校時代の同級生のオリエに声を掛けられる。オリエは話をしたそうだったが、ナツミは時間が取れないので、日曜日に逢おうという。オリエはその際により子も連れてくるようにいう。待合せはカフェバー椿とする。ナツミがこのことをより子に話すと、オリエは2年半前に事故で死んだのでオリエに会うなんてあり得ないという。ナツミ、オリエ、より子は同級生でオリエが生きていれば3人とも39歳である。ガンで亡くなったより子の夫圭吾、より子と圭吾の息子圭太が主な登場人物である。死んだオリエを登場人物に仕立て、それなりにリアリティを持たせ、読む人を抵抗なく作品の中に引っ張り込む技量は凄い。こういう書き方で夫婦の愛を書いたのは面白かった。設定が奇抜なので、記憶に残る作品になった。今後年に1作ぐらいのペースで作品を書くというので期待したい。

カテゴリー:照葉樹・二期

「照葉樹?期」第5号

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<2014年 4月21日(月)付、「文芸同人誌案内」掲示板より転載・投稿者:kitaohi>

【「順平記 その二『リュウ』」水木怜】
順平がコンビニで万引きをする少年のあとをつけ、那珂川沿いのベンチで話しかける。少年は小学校4年生で10歳、名前は増田龍平という。順平はその少年をリュウと呼ぶというと、いいという。リュウはいじめにあっているのだが、母親には言わないでくれという。順平は母親の勤め先を調べ様子を見に行くが、母親にリュウに親切にしてくれる人だと見破られてしまう。母親は塔子といい、リュウのこと、自分の事などを順平にに話す。作品を読んでいてホロリとする。いい作品と思うが、リュウのIQが150なので強い人間に育てるという設定になっているのが気にかかる。IQは並の小学生に設定して、その小学生を突き放すようにしながら、強くなるように育てるというストーリーの方が良かったように思う。IQが高くなくても、強く育てるのが母親ではないだろうか。子育てはその子のIQに関係がないと私は思っている。
とはいっても、心温まるいい作品である。

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「照葉樹二期」4号(福岡市)

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<2013年12月 8日(日)付、「文芸同人誌案内」掲示板より転載・投稿者:kitaohi>

照葉樹二期4号を送って貰ってすぐに読後感を書こう思っていたのだが、気が付いたら12月になってしまった。読んだのは小説2編、「順平記 その一『つばき』」(水木怜)「思い出を、ブラックで」(藤代成実)だが、読後感は1編のみ載せる。
【順平記 その一 「つばき」水木怜】
 読み始めたら一気に最後まで読んでしまった。
 主人公の順平の年齢は不詳だが、勤務していたIT企業が倒産したのを機に、母が亡くなった際に家を処分し、貸本屋を始めた。姉律子が塾の仕事が休みのときは貸本家を手伝ってくれ、何とか食べて行けるらしい。そんな順平が散歩の途中の神社に、いつもいる猫がいないのが気になって、さらに奥の方へ行くと朽ちかけた土塀があり、そこには順平の好きな藪椿が咲き乱れている。土塀の屋根には順平が気にしている猫「ゆき」もいた。椿の陰の方にレンガ色の屋根の家がある。そこには老姉妹2人が住んで居り、妹の名前はフサで終戦の年は23歳だったという。姉はコウといい、現在は神経を病んでおり、1964年からフサが介護しているようだ。老姉妹の家は祖父の代から医師で昔から椿病院と呼ばれていたという。
 ストーリーの環境設定はもうちょっと複雑だが、ストーリーは順平が老姉妹の住む家にある古い蓄音機の修理することに中心に置かれている。古い蓄音機を順平がインターネットを頼りにいろいろ調べんながら修理するところの描写がいい。現実にこのような修理ができるかは疑問であるが、小説の世界でのリアリティという意味では納得できる。今までほとんど喋らなかったコウが治った修理が終わった蓄音機の音に合わせてタンゴを歌い始めるのもいい。
 最後にフサ86歳、コウ91歳と正確な年齢をテレビのニュースで伝える形にしたのも面白い。
 読み終えて記憶に残る作品という感じがした。これから順平がいろいろな場面で特殊な能力を発揮するのを楽しみにしたい。

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<2013年 4月11日(木)付、「文芸同人誌案内」掲示板より転載・投稿者:kitaohi>

「エブリホームの女たち」(水木怜)

 達者な文章、素晴らしい構成で、いつもこの作者の作品は一気に読んでしまう。
高齢者専用賃貸マンション(高専賃)エブリホームに64歳で市からの助成金と親の遺産を処分した資金で、健常者として入居した杉子が主人公である。4階建てで20名ほどの入居者がいる。高齢者専用ではあっても賃貸マンションなので各自が部屋で食事をする仕組みになっている。
 杉子の左隣りに金本さん、右隣りは綾乃さんだ。綾乃さんは67歳で人懐っこく、杉子とすぐに友達になる。綾乃の部屋は足の踏み場がないほどの散らかりようなので、いつもお茶を飲むのは杉子の部屋と決まっている。
 男性も何人か入居しているが、その中に進藤さんは67歳、元税理士で大学時代の仲間と今でもジャズライブをし、クラリネットを吹いていおり、このホームの人気者だ。その進藤さんと綾乃は親しくなる。
 ストーリーは、綾乃、綾乃の息子隆之の妻という美祢、その息子の哲(ケイ)、進藤、杉子の俳句仲間の梅子、本町先生などを中心に進むが、更に重要な役割を担う占い師がいる。占い師は、杉子が天神から警固町に向かって歩いているときに声をかけてくる。
 作品は原稿用紙で100枚近い大作だが、筆力のせいだろうか、ストーリーは込み入っているが、一気に読んでしまった。ほのぼのとした作品だ。高専賃といった高齢者を対象とした高級な賃貸住宅内の住人を対象にしており、これからの高齢社会を考えると、こういった作品をどんどん発表してほしいと思う。

「夜の足型」(上原 輪)

 舞台は北欧なのかカナダなのかよく分からないが、雪が降り、寒い地域が舞台だ。主人公は「あたし」(リッリ10歳)、おととい父親が死んだのでその足を粘土で包み、足型を作り、そこに水を入れ氷でできた足型を外に置いておく。そんな時に旅人のケンが来る。母親は5歳の時に家を出て行き帰ってこないが、お金を時々送ってくる。おばあちゃんもいるが腰が悪くて入院している。
 以上の登場人物で異空間を創り、シラカンバの木、朽ちかけた教会などを配置している。言語は英語ようだが、おばあちゃんは英語が苦手らしい。作品を読んで感じたことは、異空間にリアリティがなく、10歳の男の子が1人でどのように生きているのか、隣家は車で15分というので7、8km離れており、おばあちゃんは車で40分というので20km以上離れたところである。ここの住民はどのようにして繋がり、生きているのかイメージができない。氷で作った足型で作った足型が融けるまで遺体を埋葬できない習俗があるようなのだが、その習俗を守っている村(集落なのか)はどういうところなのか、また、奨学金の試験に合格したとあるが、取って付けたような感じだ。
 異空間を創り、そこでストーリーを展開する手法はいいとしても、読み手が納得できるような作品にしてほしかった。

「短編小説集」(水木怜)

「マリアの風」
 幸吉は48歳だが、リストラされて仕事がなくむしゃくしゃしていた時、地区の子供たちが植えたチューリップの花を傘で横なぎにしてとってしまう。傘に名前があったことで幸吉が犯行とと分かり、派出所に連れて行かれ始末書を書かされる。帰り道、母親の知り合いのヨシに会う。ヨシは60歳を過ぎている。ヨシに家に連れて行かれうどんを食べさせてもらう。その後ヨシと男女の関係になり、更に幸吉が事故に遭ってからはヨシの家で一緒に住む。しかし、ヨシの好意をわずらわしく感じヨシに冷たく当たる。幸吉はヨシを捨てて家を出たが金に困りヨシの家にくる。そこでヨシの年金が入った茶封筒を盗み逃げようとしたところをよしに見つかる。小男のエゴ、女の微妙な心の動き、男に尽くす気持ちが本当に細かく書いており、いい作品だ。

「遊境」
「私」が息子信夫の嫁伊代の盗癖を掛かりつけに医師に話すことから、物語が始まる。医師のところには週に1回行くことになっている。指輪がなくなったこと、食べ物も食べていないのに、先ほど食べたというなど、伊代の虚言癖も話すようになる。信夫ではない他人から「おふくろ、・・・。」といわれるようにもなる。
 高齢者の多くがたどる道を、段階を踏んで書いており、感心してしまった。

「階段」
 総子は夫信一郎を15年前に亡くした。その夫の13回忌を終えたときに脳梗塞で倒れる。夫の13回忌をする1年前に1人息子和夫をバイク事故で失う。夫の13回忌を終えたことにより脱力感に襲われたが、そのことにより脳梗塞になってしまい、1年近い入院生活を送る。退院後2階の部屋にはいる。ヘルパーの清水さんが親切に面倒を見てくれるが、なかなか2階から降りる勇気は出ない。寝ながら総子が見る夢は、信一郎や和夫のことばかりである。そんな時に和夫の夢を見て2階から降りる勇気を貰う。ヘルパーの清水さんに助けられながら何とか降りる。自分が寝ていことにより止まったままだった時間を、階下に降りたことで考えてしまう。
 そんな時に和夫の学生時代の友人の山元が単身赴任することになったといって訪ねてくる。ほのぼのとしたいい作品だ。

「陽のあたるベランダ」
昔の映画「裏窓」のような作品で、作者にしては珍しい推理小説っぽい仕上げとなっている。薫と梓はミーナマンションで隣り合わせに住んでいる。薫は洗濯好きだ。薫の住むミーナマンションの向かいにあるベルコーポの2階がよく見える。そのミーナマンションの2階の洗濯物の干し方に異変が感じられた。そこから事件性を嗅ぎ取る。テレビのドラマによくある流れで新鮮味はないが、面白い作品だ。

「水滴」
 子供ができない夫婦の物語だ。咲と雄一夫婦には子供ができない。咲は29歳で結婚したが、32歳になっても子供ができない。物置には野良猫が棲みつき5匹も子供を産む。その5匹の子猫はイタチにやられてしまう。そんなこともあり咲は医師に診察してもらうが、咲には全く問題がなく、夫の雄一が無精子だったのだ。咲が40歳になったときに、夫の雄一は、新聞広告を出し、坂上民生という青年をバイトで雇う。坂上民生の血液型は雄一と同じO型だった。血液型が夫と同じだと分かり、咲にあることが芽生えた。よくあるストーリーだが、作者はうまくまとめている。

「目」
 成子は浩一郎と結婚して35年にもなる。電車の中で一目ぼれした浩一郎が、人を介して結婚を申し込んできたのだ。成子は結婚して浩一郎の性格を知ってから、ますます浩一郎を嫌いになる。その浩一郎と地下鉄祇園駅の階段を上るときに階段をふざけながら下りてくる高校生に浩一郎が飛ばされ、階段の下まで落ちていく。その際、浩一郎は成子に助けを求めるような目をしたが、成子は助けなかった。その後成子は、浩一郎の助けを求めるような目の幻覚に悩まされる。作者にしては珍しく救いのない暗い作品にしている。

「夏の残り」
 セツ子と寛太は5年前からセツ子の家で暮らしている。2人は割烹「魚苑」に勤めており、寛太は魚苑の料理人だ。中卒でこの世界に入った寛太は掃除、鍋磨き、皿洗い等を経験し今では魚に手を付けるまでになっている。ただ、ここまで来るには、吃音であることにより人付合いが悪く、苦労したようだ。一回りうえのセツ子がそこを姉のような感じで面倒を見ているうちに、男女の関係になる。その寛太が3か月前にセツ子に世話になった礼をいって家を出て行ってしまった。理由は、寛太の隣で信号を待っていた女性が走ってきたトラックに飛び込み自殺を図る。寛太はその女性を助けることができたのに助けられなかった責任を取って、手を失った女性と生活するためだった。
 本来的には自分に全く関係のない女性と生活するために、永いこと世話になった女性を捨てて出ていくことに不自然さを感じるが、作者は男の責任感の強さを書きたかったのだろうか。

カテゴリー:照葉樹・二期

<2012年 5月 3日(木)付、「文芸同人誌案内」掲示板より転載・投稿者:kitaohi>

「照葉樹」が生まれ変わって「照葉樹二期」となった。水木怜さんが中心のようだ。随筆や詩も載せるという。創刊号(通巻12号)からいい作品が載っている。私は水木さんの作品を読んだだけだが、追って他の作品も読んでみたい。今回はまた的外れな感想かも知れないが、ここに載せることにした。

【「甘いリングの向こうに側に」水木怜】
 ベルサイユ通販のオペレーターの姫子(杉野姫子)を指名してくるクレーマーの小坂トヨは、クレーマーのブラックリストに載っており、「トヨばあさん」という有名人だ。そのトヨが今日も姫子に通販で購入した衣類の色でクレームをつけてきた。対応に苦労していると、主任の安藤が替わってくれた。安藤は36歳で姫子より8歳年上だ。安藤は簡単にカタを付け、姫子にその旨を連絡してくる。

 姫子が帰宅途中、博多駅近くのミスドの喫煙席でアイスコーヒーを飲んで一服していると、姫子の後ろの席で店員にクレームをつけている客がいる。トヨだった。姫子は、トヨに気付かれるのが嫌で帰ろうとしたとき、トヨがドーナツを気管にに詰まらせたらしく、苦しがる。姫子は急いで「トヨさん大丈夫ですか」と声をかけてしまった。結局、そのままトヨに誘われてトヨの家に行く。トヨの家は博多駅1丁目のビル街の裏の戸建て街にあった。古い建物だがいい家である。トヨは独り暮らしらしい。リビングの自分の居場所の周りにいろいろなものが置いてある。孫もいたらしい。

 安藤は、登山が好きで姫子を登山に連れて行く。大学時代は山岳部に所属していたという。下山途中に姫子は安藤に、ひょんなことからトヨに会い、自宅まで行ったこと、トヨは何か寂しさを感じさせる事情を抱えているらしいことを話した。安藤も何となくそれを感じていたという。

 トヨは相変わらず10日にあげず姫子に電話をかけてきたが、クレームではなく相談が多くなった。そのトヨが12月に入って電話で嬉しそうに孫の話をしたあと、姫子と買い物に行く約束をしたが、こなかった。2週間過ぎても電話もない。姫子は不吉な予感が閃き、心配になってトヨの家を訪ねる。トヨはいたが化粧っ気もない。、電気も点けていない暗いテーブルの隅には、小さなツリーが飾ってある。聞くと、娘の奈緒が冬馬を産んで1年もたたないうちに夫の正樹が亡くなり、夫の友人と深い関係になる。しかし、この男はチョッとしたことで暴力男に変身する。奈緒は、冬馬を連れて逃げてくるが、連れ戻されてしまう。弁護士などを使って別れることにしたが、その男は、今度は冬馬を連れて行ってしまい、結局奈緒も男のところに帰ることになる。

 姫子は、そんな話を聞いた後、帰るときにトヨさんから通販で購入した鍋セットを貰う。鍋料理なので安藤を自分のアパートに誘う。その話を安藤にする。その安藤の母の訃報を2月になってか聞く。
そんな時にトヨから姫子に電話があり、奈緒が男のDVにあい、怪我をしたという。姫子は安藤にトヨと奈緒のところに行って貰う。

 長い作品だが、読み易く、一気に読んだ。トヨを通して親、子、孫といった関係の難しい面、複雑な部分などいろいろ考えさせられた。DVの奥の部分が、この作品のように簡単に解決されるとは思わないが、しかし、このようなパターンもあり得るかもしれない。DV,、男女間の関係、家族などこの作品を読みながらいろいろ考えさせられた。とてもいい作品だと思う。

カテゴリー:照葉樹・二期

「照葉樹」(二期)創刊号

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2012年4月14日 (土)付、「文芸同志会通信」http://bungei.cocolog-nifty.com/より転載いたします。

【「時の空間」瀬比亜零】
 時間は一方向に向うので、時系列という発想が出る。この小説はその時間の流れに亀裂ができて、昭一という主人公が20歳、30歳、40歳の存在時間の自分と情報交流ができてしまう。若い時の昭一が、恋人と別れるが、年代を経た自分と交流して、それを参考に考え方を変えて、幸せな人生を送るというもの。設定を工夫すると、平凡な話も面白く読めるということがわかる。ただ時系列の乱というか亀裂の使い方がどこか変なきがするが、まあ深く追求すべきものでもないかも。

【「甘いリングの向こう側」水木怜】
 衣料品の通信販売の会社に勤める姫子は、電話応対している。常連のクレーマのおばさんの電話にてこずる話から、おばさんのキャラクターを浮き彫りにしていく。基本的に人情話なのだが、従来のこの作者の印象からすると、かなり多作をしてきたようで、文脈に無駄がなくなった。書き込んだ結果無駄がなくなり読み易くなったように見える。市井の生活を描くのに、家族と精神的な距離ができた孤独な高齢者と家庭内暴力を組み合わせるなど、かなりドラマチックな仕掛けをつくる。下町人情小説物としては、芝居がかったところがある。舞台劇の脚本やTVドラマ向きの手法。ストーリーテラーの資質が見える。
 菊池寛は、小説と演劇のちがいについて、戯曲は劇薬的な激しい部分だけを取り出して舞台で演じるから演劇とされるという趣旨のことを説いている。
(紹介者「詩人回廊」編集人・伊藤昭一)

カテゴリー:照葉樹・二期

2012年3月20日 (火)付、「文芸同志会通信」http://bungei.cocolog-nifty.com/より転載いたします。

【「変成自分史?中年バックパッカー独り旅・南米編?」西村弘之】
 ペルーのマチュピチュを目的に、ダラス空港経由でサンパウロに向う。その面白さや良さを紹介するには、写し書きすることになるので、しないが、とにかくお勧め。旅行記として、臨場感もあるがそれにプラスする歯切れの良い文章力。旅行記で久しぶりに地味ながらの才気というか、良い表現力で魅力的な読み物に出会った。これまで相当書き溜めたものがあるのではないか。タイトルが同人誌的で自分の気持ち優先だが、読ませてやるというタイトルにすれば、広く読者を獲得できるような感じを受けた。
(紹介者・伊藤昭一「詩人回廊」)

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