サロン・ド・マロリーナの最近のブログ記事

2011年1月 6日 (木)付、「文芸同志会通信」http://bungei.cocolog-nifty.com/より転載いたします。

 本号はコミックあり、ライトノベルあり、時流エンターあり、純文学、詩的散文ありで、作品カラーの似てしまう同人雑誌にはめずらしく多彩である。
【「覆水盆に帰る」虎鮫龍】
 大相撲部屋の力士の生活が詳しく描かれている。嵐灘部屋の鞍馬山という力士が主人公で、最近話題の大麻、賭博事件を背景に、面白い物語が展開する。リアルさと荒唐無稽さを同居させて読者を楽しませる。芸能興業のイロモノのアイディアが風刺的に取り入れられ(キワドイところもあるが)、まさに現代の風俗的な今だけの話の趣向が小気味良い。エンターティナー精神にあふれた作風で即興的な才気を感じる。題材を生かして、アイディアをどんどん出して書くという精神が印象に残った。

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2010年5月16日 (日)付、「文芸同志会通信」http://bungei.cocolog-nifty.com/より転載いたします。
(1)
 本誌は文学フリマで販売のほか、書店で扱ってもらっている意欲的な同人誌である(参照:「サロン・ド・マロリーナ」サイト)。
【「革命、憂国、あるいは、太陽」竹内きみまろ】
 若者が日本の社会にあきたらず外国に渡って、人生修業をする体験話。昔は教養小説というジャンルがあったが、現在ではグーロイング・アップものとでもいうべきか。とにかくエネルギーがある。とろんとしたところがないのが良い。随所に読みどころがあるが、先を急いで書き流しているところがあるのがもったいない。それと、終わりが予定調和型で、いちおう結論めいたものが出ている。この辺が起承転結に縛られているなら読物であるし(純文学ではありえない)、もし純文学ならなにも予定調和スタイルにする必要がない。その辺に工夫の余地感じさせる。いろいろな面で問題提起のある作品である。幾度でも再編成する価値のある題材である。

【「やな場まで」塵芥川文之介】
 自意識のあるペンネームに思わず笑ってしまう。しかし、出だしの「川原の石ころたちは、あれはあれで大変な思いをしている」とあるのには、ある才気を感じさせる。清流なのか濁流なのか?ひと目で興味を引く。このようにするとこの小説の舞台と作者の視点が、三脚の置いたカメラのようにしっかりとしていることを示している。読者にこれから、どんな舞台でどんな物語が展開するかを予感させ、安心させる。意識的なものであればかなりの書き手であろう。内容も詩精神にあふれ文学性に富んでいる。

【「樅の木」新木寿幸】
 これも出だしから言わんとすることがすっきりと示されている。爽やかな風のくる風景から、感性の良い清潔な文章で人柄がにじみ出ており、途中経過が、読む者を引き込むし風土性が味わえる。身内の病のこの種のテーマでは巧く書かれた作品が多いが、この作品はこの時でないと書けない独自性をもっている。
【「花葬の影」和泉あかね】
 葬儀屋さんの話だが、新感覚ですっきりと描いてあるので、面白く読める。なるほど、なるほどと納得させ、伝達性に優れた表現力がある。
http://www5b.biglobe.ne.jp/~michimar/salon/index.html

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