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【「きみのBARから海が見えて」中川由記子】
どうしようもない男の物語です。58歳の敬一は妻から離婚を迫られ、社会からも脱落しています。或る日、学生時代に半年ほど住んでいた町にふらりと立ち寄ってBARに入ります。ここでの料金に関する遣り取りが活写されていて、おもしろい。酔いがまわり、死んだ人たちもBARにやって来ます。何の取り得もないような敬一を憎めないのは、彼の中にある思春期に同調するからなのでしょう。予想外の展開で、ノスタルジーあふれる印象的な作品でした。
今までこの方の作品を読んできましたが、女性の内面を軸に据えた作品が多かったように記憶しています。今回の作品は、気持ちの良い裏切りでした。

カテゴリー:季刊午前

2013年5月

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