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 「層」新年会から持ち帰った同人誌は、読んでしまったので、締め括りは、私の所属する同人誌「層」と言うことになった。ここのところ、若手がなぜか退会したり、多難な長野ペンクラブである。
 まず、規約から。「第一条 この会は月例研究会と、機関紙「層」をもち、文学の切磋琢磨を目的とする。」とある。
まず、月例研究会は人集まりが悪く、まず隔月になり、会場「勤労者福祉センター」が取り壊されたという外部的要因により、「層」発行時の集りになった。それと「文学の切磋琢磨」は私は違和感を感じる。表現としての言語は「表現される以前には存在しない」のだから、各自、自由に書けばいいのだ。以前は如何にしたら「賞」が取れるかと言う「予備校」的要素もあったようだが、もはや皆、そんな年ではないだろう。
 「層」111号を見ると、諸氏はそうした呪縛から解放され自由に書いているようだ。
 村上青二郎『売る人買う人』 村上さんは文学の勉強の一区切りとして短編小説集「金沢夜景」を出版した。そして、この本を売る話である。書き出しは映画「男はつらいよ」から。「あの寅さんというのは、どうしてあんなに自分の仕事を卑下するのか、---」という奥さんの言葉から始まる。寅さんの売り方は例の「啖呵売(たんかばい)」から始まる。「見上げてご覧よ屋根屋のフンドシ---云々」。広告でいえば、「コンセプト」「ターゲット」「ポジショニング」を明確にして、「キャッチコピー」を考え「ボディーコピー」を作り広告・宣伝し、買い手をその気にさせるのが基本。
 収載作品「浅野川」「箸の先」「金沢夜景」「朝顔」「心あり」「鉄路の果て」から訴求点を抽出しコピーを仕上げて行く。男と女、家族、友情、自死、労働組合、リストラ、---等現代の問題がすべて含まれている。今日、6作品を通して読んで、この本は多くの人に読んでもらいたいと私は思った。
 宮澤 尚子『秋は来にけり』 様々な本を読み、勉強しすぎ。もっと力を抜いて、秋に自分の周りで起こったことなどを気楽に書けばいい読み物になる。「切磋琢磨」はもういらない。
 ちり あくた『eve(前夜)』 日本経済の大破綻。これは、近い将来ではなく、わが家では既にリストラの風に吹かれてその只中にある。概して、この文章も力み過ぎで、自慢が多い。もっとソフトタッチでユーモラスに書けば「信州の東京」の編集者も喜ぶだろう。
 尾沼志づゑ 短歌『朝の卵』 
  朝は朝な卵を割りて幾十年というはわれの朝なり
  萩の駅なる冠着よ花絶えにして霧雨の降る
   情景が目に浮かぶ
 きたの はじめ、島田亜紀の作品も「童話的要素」があり、「切磋琢磨」からは逃れられたと思う。
  小田切芳郎『雪崩の谷』第10回 この連載を楽しみにしている人が多い。「楽しくなければ文学ではない」!

                        転載・原文は金児至誠堂

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2013年5月

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