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 同人誌「蠍」49号に芦川次郎さんが【「蠍文学」誕生までの経緯(その1)】を書いている。
創刊号は昭和27年(1952年)とある。今年で58年目と言うことになる。驚くことは、創刊号の編集人が芦川次郎氏だということ。誌名は最初「かんぼく」で「信濃文学」から「濁流」になり、そして「蠍」になる。一方「信濃文学」は分裂し一方が「蠍」になり、もう一方が「五季」になったとのことである。
 それにしても、同一人物が創刊号から58年、後2年で還暦になるまで継続しているのは壮観である。
今度の号は原田勝史氏、森 亜人氏、太田 伝氏、青木 創氏、それぞれが小説の秀作を発表している。小説好きの長い年月を共にしてきた仲間の人たちには、ある種の羨望を感じる。
 私が同人雑誌に初めて雑文を書いたのは昭和39年(1964年)、昨年末亡くなった岩崎重夫氏主宰の「三文評論」だった。五里霧中、無我夢中で書いたので、自分のことで精一杯で、一応、編集委員にはなっていたけれども、本人の書いたものしか読むゆとりが無かった。それでも46年の時間が経過している。
 今、少しずつバックナンバーをながめているが、執筆者・同人の熱心さと水準の高さに驚いている。当時、私は「アンドレ・マルロー」についての断片を書いていたが、当時、執筆者の中に、マルロー・ファンが多かったことに気がつかなかった。馬車馬のように書き続けた事が恥ずかしいが、いまさらどうにもならない。「書けない、書けない」といいながら書いていた私の文章に「書けなかったら、書かなければいいのです。」と忠告を寄せた人がいた。あとで気がついたが、その人はプルーストの翻訳家の某氏だった。
 それにつけても「蠍」の芦川次郎氏のように、明確な意識の中で同人誌を続けてきた人が羨ましい。


                        転載・原文は金児至誠堂

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2013年5月

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