2012年12月 5日 (水)付、「文芸同志会通信」http://bungei.cocolog-nifty.com/より転載いたします。
本誌には感想を書くための編集部宛先の私製はがきが挟んである。一つの方策ではある。同人雑誌の作者は、一人の読者が心を動かしてくれたら、それでいいというような気持で書ける場所でもある。もしかしたら自分を理解してくれる人がどこかにいるかも知れない、その人を求めて書こうという動機であれば、それはロマンである。
【「春風の人 人見幸次」国府正昭】
本誌の編集発行者であった人見幸次氏が70歳で亡くなって、友人の国府氏による作品解説と、人生のかかわり合いと回顧である。これを読むと執筆に根拠があるものを書いていて、デザイン創作など多彩に活躍した作家であったようだ。年譜もあって、後日に大変貴重な資料になるかも知れない。四日市市であるというから、作家・伊藤桂一氏とも面識があったかも知れない。ものを書く人の人生は有名であろうが、地域的な作家であろうが、その活躍の足跡には大変興味深いものがある。実生活のディテールの上に作品が重なる様子が、外側から見えるのは小説以上の感銘があるからだ。
発行所=〒511?0284いなべ市大安町梅戸2321?1、遠藤方。
(紹介者「詩人回廊」伊藤昭一)
最近のコメント